普段使っているドライヤーに、マイナスイオン機能は付いていますか?
マイナスイオンが出るというドライヤーが流行ったのは、随分前です。15年以上前(2000年頃かな)だと思います。
今は、昔ほど「マイナスイオンが…」という宣伝文句は聞かなくなりました。
でも今も、売っているドライヤーには普通にマイナスイオン発生機能が付いていますね。
私は「効果はなさそうだけど、付いてるのが普通」という感じに思ってます(笑)
「マイナスイオンは嘘」と言う人もいれば、「マイナスイオンドライヤーを使って効果を感じる」と言う人もいるので、判断が難しいです。
今回は、
なので、ドライヤーのマイナスイオンは意味ない?というテーマでお伝えします。
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ドライヤーのマイナスイオンは意味ない?
ドライヤーのマイナスイオンの効果を感じるという人の意見には
・髪のパサつきがなくなった
・しっとりする
・髪がまとまる
といったものがあります。
これらを素直に受け取れば、マイナスイオンって効果があるんだと思えますが、実はその効果はマイナスイオンによるものではない可能性が高いです。
というのは、
いろいろ調べていて、これを読んだからです。
→http://www.yasuienv.net/MinusIonRika.htm
長いので、一部引用すると、(すっ飛ばしてもOK)
空気イオンを作るために、コロナ放電(細い針やブラシに高電圧をかけたときに放電する現象)を使用する場合には、多少のオゾンを副生することが知られている。オゾンは有毒であるが、副生するオゾンの濃度は、0.01ppm程度であり、それ自身有害だとは言える濃度ではない。しかし、この0.01ppmという微量のオゾンであっても、それを個数で数えると、2500億個/cm3程度となる。負の空気イオンの量の50万倍は存在することになる。通常、50万倍の濃度差は、他の物質の作用を隠蔽するのに十分な差である。すなわち、ある効果が有ったとしても、それを負の空気イオンのためだと判断するのか、それよりも50万倍も多く存在しているオゾンのためだと判断するのか、これは、かなり難しい選択であると言わざるを得ない。
例えば、マイナスイオンドライヤーと呼ばれる製品は、髪の毛をサラサラにする効果があると言われている。メーカーによれば、それは、負の空気イオンが空気中の水分を髪の毛に付着させ染み込ませるからだ、と言う。空気イオン1個が10個の水分子を含んでいたとしても、50万個/cm3程度では、量的には全く問題にならないほど少量である。しかも、ドライヤーを使う場合には、最初から髪の毛は濡れている。水が大量に存在している状態であり、その水の量は、それこそ、10g程度はあるのではないだろうか。個数にすれば、アボガドロ数に近いことになる。このように大量に存在する水がなんら影響を与えず、負の空気イオンが持ち込むほんの微量の水が、髪の毛に影響を与えること自体、通常の化学的常識からは考えられないことである。
髪の毛の手触りがある程度変化することは、体験上、どうも事実である。この現象になんらかの説明を加えよということであるのならば、むしろ、オゾンが水にとけてオゾン水となり、髪の毛の表面と反応を起こして髪の毛の表面構造になんらかの影響を与えると考える方が妥当性がある。オゾン水は、化学的に活性で酸化作用があり殺菌や漂白に用いられる。すなわち、有機物に対してなんらかの影響力があることは確実だからである。
となると、負の空気イオンがなんらかの生体効果を持つとしたら、全く別の機構がありうるかという問題になる。細菌の出すフェロモン分子は数個で受け手の細菌に影響を与えるという。となると、50万個もの空気イオンは、十分以上の量のように思える。しかし、ヒトという生命は、60兆個もの細胞からできている。かなり鋭敏な感覚は、ひょっとしたら嗅覚であるかもしれないが、その場合であっても、オゾンのような有臭物質が50万倍も大量に存在しているとき、負の空気イオンが選択的に検知されるとは考えにくい。
つまり、髪の毛に効果を及ぼしているのはマイナスイオンではなく、オゾンだと考える方が妥当性があるということです。
オゾンについては「髪がしっとりして艶が出ると感じるのは、オゾンが毛髪を溶かして固まって艶になっているから」というような意見があって、
これに対して、
「ドライヤーから出るオゾンの量程度で、毛髪が溶けるなんてことはない。毛髪が柔軟化されて毛羽立ちが抑えられることで、しっとり艶があるように感じるのだろう」
という議論もあったとか。(オゾンが有害なのは事実ですが、それは高濃度の場合)
結局、
というところに行きつくのかなと思います。
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マイナスイオンとは?
マイナスイオンという言葉は、ほとんどの人が聞いたことがあると思います。
でも実は「マイナスイオン」という科学・学術用語は存在せず、いわゆる造語で、特に「商業用」に作られた言葉。
滝の近くに行って「マイナスイオンが気持ちいい」なんてフレーズも、一昔前には結構あった気がします。
今でも言う人がいるかもしれません。
マイナスイオン商品を売っている側の人は「滝の周辺にマイナスイオンがあるから気持ちよくなる」と主張するので、それを信じてしまった人もいると思います。
実際、滝の近くに行けば気持ちよく感じることはありますが、それは気温が低くなってたり水しぶきを浴びたりするからですね。
・水滴の大小によって荷電が異なり、大きな水粒子は正に、小さな水粒子は負に帯電するようである。
・正の電荷を帯びた大きな水粒子は重力で落下するために、滝などの周辺には、負の空気イオンが浮遊することになる。
なので、
この負の空気イオンとマイナスイオンを結びつけられると、なるほどと思ってしまいそうですが、負の空気イオンが気持ちよく感じさせているという証明はありません。
さいごに
ドライヤーのマイナスイオンは意味ないのか、についてお伝えしました。
マイナスイオンについて調べると、非常に曖昧なものだということが分かります。
また、健康・美容に良いなんてことは到底信じられません。
とは言え、マイナスイオンドライヤーが全く効果のないものだとは言えませんでした。
髪がしっとりするなど、体感している人がいるのは事実なので、マイナスイオン自体は嘘でも、別の物(オゾン)が効果をもたらしている可能性があるということです。
そうすると、マイナスイオンがインチキだからと言ってマイナスイオンドライヤーをインチキ商品と言い切るのは難しいのかな、という思いにもなりました。
まぁ、今はマイナスイオン機能がほぼ標準搭載されてますから、考えてもあまり意味ないのかもしれませんが。